春はあけぼの・・・
いきものがたりスタッフの橋本です。
気温がぐっと下がり、冬の気候になってきましたね。
今回はちょっと趣向を変えた内容にしてみようかなと。
よろしければお付き合いくださいませ。
突然ですが、
私は歴史文学の中で、
春はあけぼの・・・
から始まる枕草子が好きです。
というのも、私は学生時代、古典が好きで、
古典だけは定期テストの点数が良かったんです(笑)
(他の点数は聞かないでください・・・(笑))
≪枕草子とは?≫
清少納言が感じる日常の
“をかし”(現代語訳:おもしろい)
を見つけて日記にしたものです
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春はあけぼの・・・
夏は夜・・・
秋は夕暮れ・・・
冬はつとめて・・・
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聞き覚えありませんか?
肌寒い冬の朝は、この詩が頭をよぎります。↓
「 冬はつとめて。
雪のふりたるはいうべきにあらず。
霜のいとしろきも、またさらでも、
いと寒きに、火などいそぎおこして、
炭もてわたるもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、
火桶の火もしろき灰がちになりて、わろし。」
もし今の令和に清少納言が生きていたら、こんな文章になります
「 冬はやっぱり早朝がいいよね!
雪の降っているとまたさらに良い!
雪で一面真っ白になっている朝も、そうでじゃない朝も、
毎日寒い朝に、炭火などを急いでおこして、部屋に運んでいくのも、
冬の日の朝の風景にぴったり!!
昼になって、寒さがゆるんで暖かくなってくると、
火鉢の炭(火)は、厚く白い灰になっちゃう、、、
なんかいや。」
寒がりな私からしたら、
冬はつとめて(冬はやっぱり早朝がいい)なんて思えません・・・!(泣)
そこを楽しめる清少納言は素敵だな~!と学生時代に思ったんです。
実は・・・
清少納言の生涯は決して幸せ満開ではなく、
不如意なこと辛かったことも多かったと言われています。
ですが、そうした影は「枕草子」には全く感じられないんです。
清少納言が書かなかったからという説もありますが、
摂関政治の不穏な政争のなかでも、持ち前の明るさで、
清少納言はのびやかに執筆を進めていたのかな、と。
清少納言の様に、訪れる不遇な境遇に不貞腐れず、
自分の心の主人公は自分という芯をもって日常の「をかし」をみつけ、
自分も周りの人も楽しめる人となれたらと思います(*^^*)
最後に、私のお気に入りの枕草子の一節を。
よろづのことよりも、情けあるこそ、
男はさらなり、女もめでたくおぼゆれ
(我々は他人に幸福をわけ与えることにより、
それと正比例して自分の幸福を増加させるのだ。)
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